2018年7月23日月曜日

長い間 お世話になりました 72年の幕を下ろします ベルさん ありがとう そして涙が・・・・・



本日 72年間 商売をさせて頂いておりました ベル商店が 解体される事になります





解体を前に 2つの意味で 涙が出ました・・・・










本日のBLOGは 思い出の部屋と 解体の様子を 記憶として 載せていきます











このベル商店 昔 ”喧嘩屋ベルさん”と 言われ いつも 怒号が響くお店だったのですが 今は ”仲良しベルさん”に 生まれ変わりました・・・・






ここまで来るのに ほんと 沢山の葛藤と 学びがありました






私の幼少期を 思い出すと それなりに このお店 感慨深いものがありまして・・・








妻や 子供達は それ程 思い入れも無い様で ”何も感じ無い!”って 言っているのですが 私は 少し 悲しくなっています




50でも センチメンタル!






そのため 思い出の この家を 撮りまくっています








人らしい生活の出来ない家でしたが やっぱり 惨めな思い出ながらも 蘇ります







崩されていくお店を見て ちょっと 涙が浮かぶんだよな~ぁ













解体前 片付け!







柱に感謝の想いを・・・







































解体を前に 柱に 感謝の言葉を刻んでおきました







そして お店を片付けていると・・・・・こんな物が 出て来ました









次男と次女の剣道着!











胴衣が こんなになるまで 使い古していました



小学校の間 次女は お姉ちゃんのお古 次男は 先輩のお古で 稽古をしていたのですが この古胴衣を手にして 妻と二人で 当時を思い出していました



今でこそ ケチながら 普通に生活してますが 当時は 父の嫌がらせもあって 本当にお金が無い中 四人の子供を育ててきましたが 沢山の方たちに 助けられていたんだと 今でも 感謝の想いは消えません




でも やっぱり 子供達には 我慢をさせすぎちゃったかなっ~








これも 片付けで 移動!


















ちび丸子ちゃんのセット























サザエさんのセット
























ドラえもんのセット









ゴミで作った人形たち・・・全員集合!


ベルさんの2階に置いてあった 七夕祭りで製作した 3セットの張りぼて人形です


こちらも 移動をします








台車で運ぶ次男!

次男にお手伝いをしてもらって 移動します









安城市からお借りした倉庫へ

















父親が営業補償費を貰った為 店舗が借りられない変わりに 安城市の担当者が 倉庫を貸してくださることになり そちらへ 移動しました



ことしの七夕祭りで お披露目は 最後になるかな?















解体前 思い出の為の写真 






SPFの材木を解体
























ベルさんの内装は SPFの材木をホームセンターで購入して 私が作ったのですが この材木は 何度でも 作り直しが利くので ばらして 回収しました


写真は 母の井戸端会議用に残しておいた椅子です


ギリギリで 回収します







照明器具を移植!
























仮の店舗は 駐車場ですので お店の蛍光灯を外して 付け替えます















私たち6人家族が暮らしたベル商店 住居部











6畳食事室


















私たち家族が住んでいたころの居間です

ここで 4人の子供達と 毎日食事をしていました


年中無休で この店に4人の子供と妻とで 缶詰状態で 過ごしていました










長男の部屋


















下の二人が 年子で生まれて 4畳程の部屋を 長男の部屋として増築し ここに パイプの2階ベッドを置いて 長男は幼少期を過ごしました



長男が小学生の低学年の頃 ベルさんに泥棒が入って 長男と鉢合わせした事がありました

深夜でしたので 長男は寝ていて 無事だったのですが お店と繋がった部屋は こんな危険性を孕んでいたんです



今 思っても ゾッとします 






8畳の居間


















ここで 全ての事をまかなっていました

奥がトイレ 風呂 洗面なので 着替えも この部屋


子供達の勉強する所も 乳飲み子の次女 次男も ここで寝かせて 八百屋をしてました









ユニットバス日立化成


















私達が住む事になって 私が入れた システムバスです


当時 15万円で 設置しました



ベルさんの 初めてのシャワーと給湯器です



簡易的なユニットバスでしたが 初めてのシャワーと ボタンを押すとお湯が出ることに 感動しました




ちなみに 平成の時代です









トイレ ナショナル
























こちらも 増設 

最初 このドア 付いていなかったんです

トイレも5万円程で 最低限度のトイレを設置しました



今はナショナル(電工)なんてメーカー無いんです






 
洗面台 ナショナル



















一番安い洗面台を取り付け これも5万円ぐらいだったかな









台所































これで 妻は 毎日 ご飯を作っていました


床は半分 抜け落ちていて コンパネで 補強しています



流し台 横の 作業台の下には 井戸があります




こんな不衛生な台所で 3食 妻は作ってくれていたんです









 食卓から 長男の部屋と台所


















この部屋での 衝撃的な思い出!


私達 6人家族で 住みだした頃 ここに 2mを超える 屋敷蛇が 現れたことがありました



子供の頃 よく 家に 大きな蛇が お隣と 行ったり来たりしていた事を聞いていたんですが まさか 自分がそんな体験をするとは 思っても見ませんでした



その日 天井で ガサガサって物音がして 何だ?ねずみか?って 意識していたんですが 数分後 ドサ!って 大きな音がしたんです



なんだろうと 思いながらも 古い家なんで ”何かが落ちたんだぁ”ぐらいに思ってて 



すると 椅子に座っていた私の横に 黒い物体が 視野に入りました



もちろん それが蛇だとは気付きません そりゃ 直径10cmほどの 黒い筒が動いているんですから


そして その物体を直視して 2・3秒後 初めて それが大蛇だと 気付けたんです




直ぐに 四隅に とぐろを巻く 大蛇の捕獲に入ります



長い箒と 紐で 即席の捕獲器を製作して 捕まえました



ここで 知った事 蛇って 鳴くんですね 



一応 謝りながら 首に紐を通して 持ち上げたのですが 2mも超えると やっぱり 重かったです
 




その屋敷蛇を 外に逃がしたんですが 直ぐ また ベルさんの家の中に 入ってきました



蛇の出現した場所を確認すると 壁が剥がれていて その隙間から部屋に落ちてきたみたいでした 


直ぐに釘で 剥がれた壁を 補強しましたけど!



ほんと 数十年住んで 拝見したのは 1回だけです







解体のとき ちゃんと 逃げてくれているか 心配です



何十年も この屋敷蛇(守り神)には ベルさんを守っていただいて感謝してます







実際に 食品を販売していて ねずみが出ることは 無かったんでね












2階に上がる階段
























13段です


私が子供の頃 夜 ミシミシと 鳴っていて 不気味な階段でした


この頃 良く 私は 金縛りにあっていたな










2階 6人の寝室






















ここで 28年前に購入したベットと 木製2段ベットを設置して 6人で寝ていた部屋です





今でこそ 日当たりはいいですが 数ヶ月前まで 真っ暗


北向きの土地なので 裏のお家で 南の太陽は当たりませんでした


夜寝るだけの部屋だったんで 問題ないですけど











もう一つの階段!
























ベルさんには 2つ階段がありまして 


こちらは 祖母の部屋があったところです








屋根裏物置


















店の作業場の上なのですが 階段を登ると こんな納戸が あるんです





梁や野地板が そのまんま見えるって 戦後の家ですね









6畳2間




































20年ほど前に亡くなった 祖母が使っていた部屋です

小さいながらも 田の字の部屋になっているんです


元々 このベル商店は祖父が建てた物なのですが その祖父は 八卦や方位に詳しい人で 家の知識もあって 今の私から見ても 考えられた間取りになっています







出格子窓



























今では 珍しい 出格子の窓です


お洒落な感じ!





左のトタンは お店の看板のために 後から付けた壁です



ベル商店も 時代時代で 形を変えてきたんでしょう












3畳居間



















私が子供の頃 時々 この3畳で テレビを見させて頂いていました


当時 母親と祖母が仲が悪く 私が こっそり祖母の部屋へ行くと 母に見つかり 首を掴まれ 引きずられるように降ろされ 殴られていました


母は もう 記憶にないと思いますが あの頃 狂ったように 私に罵声を浴びせ 何十発も平手で殴られた記憶が 今でも残っています



怒りに満ちた親は 子供が何度謝っても 気が済むまで殴って 止めてくれないんですよね

怒るって 気持ちいイイから!







不思議だったのは 弟は いつも ここに来ていたんだけど 私は 駄目だったんです










嫁姑の問題は 結局 弱い子供が被害を受けるんです










6畳の仏間



















床の間と書院棚 純和風の和室です




ここには 祖父が亡くなった時に購入した仏壇が 床の間に置いてありました


その仏壇を 祖母が守っていたんです



小学校高学年頃には 時々 仏壇を参るようになりました 


仏壇の前で 正信偈(しょうしんげ)を読んでいたんです

”きみょうむりょうじゅにょらい”って 始まる奴です



信仰があるわけでは無いのですが 先祖に対する気持ちは 大きかったようで



思い返すと お願い事を よくしていました 






【母と祖母が仲良くなりますように・・・】って!








そんな仏壇も 祖母が亡くなって 私も この家を出てから 誰も寄り付かなくなり 数年後 見に行くと 酷い有様でした


お供えの腐った蜜柑は 溶けた状態で固まっていて 中は 埃だらけ それに 一番酷かったのは 阿弥陀如来の掛け軸を 画鋲で 止めていた事でした


これには 正直 絶句!






父は 先祖へのまつりごとを しませんので 当然といえば当然ですね!










最後に お風呂



















昔懐かしい タイルのお風呂です


当時は ここに 2層式の洗濯機が置いてあったんです






実は 私 このお風呂に良い思い出が無いんです







ちょっと 気持ち悪い 話なので 不愉快に思われる方は スルーしてください






私の母は 基本 掃除をしません



そのため お風呂の水も 2日 3日は 変えません




昔のお風呂は お湯が出るのではなく 水を入れ替えて その水を沸かして 入浴します

もちろん シャワーなんて物はありません


ちなみに ベルさんのお風呂には 脱衣場がありませんので 廊下で裸になってお風呂場に入ります




お風呂の水は 毎日変えないと どうなるのか?


湯船の水は2日目から 白く濁ります 3日目は その白さが濃くなり 臭いがします






さらに 4日目は 悪臭と滑り(ぬめり)です  沸かしたお湯は ドロドロになります



私は そんなお風呂に 子供のころ 入っていました






お風呂で 私は 1週間お風呂に入れなくなった出来事があります


それは タオルで 体を洗っていた時 ふと タオルに違和感を見つけ そこを良く見ると 2・3匹の蛆虫が くっ付いていたのです


多分 タオルも 数日は洗うことなく 風呂場に置きっぱなしだったので ハエが卵を産みつけて それが孵化したんでしょう ハエの卵って 8時間で幼虫になって直ぐ 大きくなるから・・・


あの衝撃は 40年経っても 忘れられません



そんな 惨めな お風呂の思い出です

















どうでもイイ 思い出話を書いたところで 解体に入ります!










ベル商店 長い間 ご苦労様でした














1週間で解体します




















































































































解体業者は トルコ人が行なっています


解体そのものに 大きな技術 職人気質は いらないので ただただ 安さだけで 人気があるようです


と言っても 解体そのものに お金が掛かるのではなく 廃棄処理費用が 年々 高額になっていて 30年前の 5倍ほどです




今年の異常気象とも思える 猛暑の中 40度近い暑さので トルコ人達 頑張ってくれています


休憩には 一人ひとりに スイカ 食べさせてあげました



嬉しそうだったな~っ 














哀愁に染まる犬 夕方の散歩






















解体現場を 確認しつつ 夕方 涼しくなっての 妻と愛犬との 散歩です




ノスタルジックに ふと 思う・・・・




壊れ行く我が生家に しみじみと夕日を見て 悲しみが込み上げてきます



区画整理で 沢山の情緒ある 花ノ木町の民家が壊されました




そんな 何もなくなった土地に 雑草が生い茂り 花が咲き その草花を 愛犬が むしゃむしゃと 食べている





素朴な 草木との戯れは ゆっくりとした時間の流れを 感じさせてくれます







これから この花ノ木町に 土は残るのだろうか?






合理性を追求した 便利な新しい街は きっと 目まぐるしく 時間が早く過ぎ去るんだろう







楽な生き方とは 忙しい生き方なのかも 知れない・・・・









満ち足りた生活って 本当は どっちなんだろう?







ほぼほぼ 店が無くなりました


























終わってしまえば 一瞬の解体工事です


















7月23日 無事解体終了!






















本日 実質5日間で 解体が終了いたしました

市の検査も受けて ベル商店は 72年の幕を閉じます















2年後の再スタートまで 妻と二人 力を合わせて 乗り切るぞ~っ!

















72年もの間 ベル商店へ 買い物にきてくださった お客様 本日 無事に 幕を閉じることが出来ました


心より 感謝申し上げます







ベル商店の最後は 喧嘩屋ベルさんではなく 仲良屋ベルさんで 終わる事が出来ました











最後に 創業者である 利七おじいちゃん(昭和50年没) ありがとう あなたの建てたお店 私が責任を持って 解体しましたよ





何時の日か あなたの所へ行ったら ベルさんの思い出を語り合いましょう・・・合掌