2014年11月15日土曜日

変てこな人参 しかし これこそ野菜!  

今日 岡崎の市場の 競りで 誰も見向きもしない野菜が居た!

若い競り人が 「人参いくら!人参!」って 大きな声で 売ろうとしていた

私は 誰が この人参に 値段をつけるのだろうと 様子を伺っていた

しかし いっこうに 値決めする八百屋さんはいない

近づいて その人参を見ると なんと 形が悪いだけではなく 色も悪い

こりゃ 誰も手を出さないわ!

15Kgと13Kgの箱じゃ ゴミを買うような物だ!そう思っていた

若い競り人は まだ 叫び続ける 「いくら!誰かついて!」

私は これ以上 競りが進まないので 若いセリ人に 『○○○円』と耳元で囁いた

若い競り人は 安すぎるな~と言わんばかりの表情で 「○○○円!誰か居ないか!」と

あまりにも 安い値段に対し それ以上の高値を つけさせようと 私の値段を連呼した 

値が上回るようにだ!

しかし 他の八百屋さんは 何も言わない

なぜか 形も色も悪い ”ゴミ人参”だからだ!

若い競り人も分かっていた これが”ゴミ人参”だと・・・・・・

1分もしないうちに 私に落ちた!

私も 落ちた瞬間 しまった!と そのときは思っていた

真面な売り物に 成らないと思ったからだ


ゴミ人参が 黄金の人参だった!

これが 朝 競り落とした”ゴミ人参”だ

1Kg~1.4Kgで袋詰めして 100円で売ることにしたのである

特価も 特価!異常な特価だ!

それでも 誰も買わないであろう人参 そう思いながら袋詰めをしていた

この人参は岡崎市の 農家の方が個人で作られた人参

地方市場には 片手間に作られた 地元農家の野菜も市場に並ぶのです

で!ここまでは 普段通り

なぜ?BLOGに この話題を出したのか!

それは 下の写真を見てください!



袋詰めで余った端数の人参を 昼食として食べようと お店で カットしたところだ

切った瞬間 私の脳裏に旋律が走った

赤い!赤すぎる!これが 今朝 仕入れた”ゴミ人参”なのか?

そして 強く 人参の匂いが鼻を刺す

濃い!香りが濃いのだ!

形は歪 それでいて 皮は白っぽい! それが剥いて カットしたら これほどまでに綺麗とは・・・・・




ふと 若い頃の人参で受けた衝撃を思い出していた

まだ 20代の頃 当時 桜井町の町長さんのお宅へお邪魔した時のことだ

2時間ほどの話を終えて 帰り際に 「ベルさんは 八百屋さんだけど うちの野菜持って行って!」そう言って 畑で収穫した野菜をくれた

『有難う御座います 遠慮なく頂きますね』と 図々しく 八百屋なのに野菜を頂いていった

その後 町長さんはこう続けた

「これね 人糞堆肥で育てた野菜なんですよ」

頂いた野菜は 形も悪く極端に小さかったり 大きかったりと 不揃い

正直 その時は どうしよう こんなの貰っちゃって・・・と 困っていました

自宅に帰ると とりあえず 一番見た目の悪く 小さな人参を調理してみた

綺麗に洗ってみると 赤い! それも 真っ赤な人参で香りが強い!

食べると 今まで食べていた人参とは別の物だった 

どちらかと言うと 頂いた人参が本物で 販売している人参が偽物? そこまで疑ってしまうほど 人参の味が違っていたのだ

そこで 当時 知り合いの愛知県庁の お偉いさんに 名古屋の卸売市場の管理をしていた県職員の方に聞いて頂いた

なぜ 流通している野菜より 自家製の野菜の方が濃い味なのか?

すると 意外な答えが返ってきた

”国内の野菜の生産は決まった地域で 決まった農産物を生産しているために 毎年 同種を生産すると どうしても土が痩せて 栄養価の低い野菜になってしまっています” と教えて頂きました

本来 野菜は 今年はキャベツ 来年はトマト 再来年は大根と 毎年生産する野菜の種類を変えることで栄養価の高い野菜を作っていたのです

しかし これでは 最低数の各種野菜の確保が困難になります

日本が豊かに成る為には 毎年決まった生産量を確保し 価格を安定させ 消費者を守っているのです”とも 教えてくれた

ま!それでも 毎年同じ時期に 同じ産地の野菜を食べても 不味いわけではありませんからね




今回 私が仕入れた ゴミ人参 実は 黄金の人参だったのです

早々に加熱して 味見をすると やはり 甘く濃い人参の味がしました

人糞堆肥か どうかは分かりませんが 間違いなく 小規模で生産された 個人農家の自然野菜です

やはり 見た目だけで 何でも判断するのは 間違っていますね

人も また 同じななのかもしれません

お金があるから 地位が高いから 教養があるから 素晴らしい人格者なのでは無く

お金が無いから 地位が低いから 教養が無いから 劣った人格者でも無いのです

だから 何時でも メガネは拭いておこう!

人を見下さないため・・・・

今日の 人参のように




樹上で熟したみかん! 和歌山県産 紀州路の香り

今年も 始まりました


紀州の自然を活かして8人のグループが樹上でみかんを熟させて丹精込めたみかん!

生産者は有田でみかんの美味しさを追及するために8人の有志が集まった8研究会のみかんです 

みかんの美味しさを生み出すことだけを日々研究を重ねています みかんのコク!風味!甘さと酸味のバランス
どれをとっても満足できる早生みかんです
 
有機肥料で育てたみかんは 甘さ 酸味のバランスが絶妙そして味の濃さと一度食べたらやめられません


私の一番好きな蜜柑です

ちなみに 現在の価格は 秀品 5500 優品 5000 無印4500です

ベル商店で一番安い蜜柑が 1300なので 4箱分の価格です

しかし 本日 岡崎市場の担当者が お安くして下さいましたので

お値打ちに 販売します


岡山産 紫苑(しえん)


聞いたことないような名前の ブドウですが 珍しいブドウです



ワイン色の透明感のある赤い実が美しい 10月下旬から12月初旬にかけて収穫される めずらしい冬のぶどうです 

甘みは強く、果汁たっぷりなので みずみずしい美味しさです 

粒の形が縦長で、モコモコと粒がせめぎあう特長的な房形をしていて ややユーモラスにも見えます 

種がなく口に入れるとつるりと皮が剥け 食べやすさもまた今のお客様の嗜好に合っているようです 

中には1キロを超える迫力のある大房もあり 贈り物にも見栄え良く、お歳暮にも最適です

ちょっと 試食で 頂きましたが 甘いです

確かに コールマンよりも 甘くて 濃さも 淡い感じが無く 冬の葡萄としては最高級品です

但し お値段が 高いです 高すぎます

実際 岡崎の八百屋さん スーパーさんも 簡単には買えない葡萄です

どうして 仕入れたか? それは 紀州路の香りみかんを 安くして頂いたから

同じ担当者なんですよ~


 

スチューベン(Steuben)青森産


 


















「スチューベン」は親の掛け合わせが「ウェイン」と「シェリダン」で アメリカで育成されたブドウです 

1947年に発表され 日本へは1952年(昭和27年)頃に導入されました

1房は200~300gほどで 粒のサイズは3~5gくらい 糖度が高くて酸味が少ないので 甘みを強く感じます
 
香りがよく果汁も豊富で 粒が多く日持ちがよいのも魅力です

貯蔵用の葡萄なのですが 真冬に食べられる葡萄で 値段も手ごろ それでいて 美味い!

こちらも 私が好きで 一瞬で食べ終えるほど 大好き

今年も始まりました


豊田猿投のジャンボ梨 愛宕 2玉

愛宕梨のBIGサイズ 2980

これが出荷されると もう 師走が近いなって 頭をよぎります

こちらは 感想なんていりませんね

入荷が 始まった事だけ お伝えします


JA豊橋 飯村甘藷

豊橋市の飯村(いむれ)地区で古くから栽培しています 

この地域の小石が混じり乾燥した土は サツマイモに地熱を伝え甘みを増す効果があります
 
乾いた土の中で育つ飯村甘藷は 水っぽくなくホクホクで強い甘みを持つことが特徴です
 
“幻のサツマイモ”としてテレビや新聞・ラジオなどで取り上げられ 出荷時期となると全国から電話で問合せを頂くこのサツマイモは 4名の生産者が丹精こめて栽培しています 


これから 焼き芋の季節

ベル商店では 結構 さつま芋 販売しているんですよ

母親は 毎日のように さつま芋を蒸かして100円で販売しています

売れ残ると 私が頂いて食べるのですが これが また 美味い!

芋が良いのか 蒸かし方が良いのか 外れなしで安い!

ちなみに 私は モチモチの柔らか芋が大好き!

人によって 好みが違いますからね

まだ 飯村甘藷 試食していないので 後日 母親に蒸かしてもらおうかな



生唐辛子





















100円で御座います

こちらも 1個 かじりました

ヒーハーッ 辛!激辛!食べられません

一応 店に干しておきました

日本の方は どうやって食べるんだろう

フィリピン人のお客様が 買っていかれます

なんか 飾っていると 店の雰囲気が エスニック的な店に見えてくるな~




今日は 久しぶりに 八百屋さんらしい BLOGになりました

野菜 果物を仕入れて 人を学び 

お客様と話して 成長して

色んな事が 毎日経験できる



2014年11月14日金曜日

劣等感から 学ぶもの!

劣等感から 学ぶもの!






















先日 刈谷青果市場での出来事

まだ 通い出して5か月ほど 不慣れな中 競り人と八百屋さんの 売り方 買い方の癖を見極めている段階だった

その日 信州の白菜が 競売された時の事だ

値決めをするのに 他の八百屋さんと いくらで落とすのか 話していました

当然 白菜その物の質も 八百屋さんと話している所でした

『この白菜 ちょっと 巻きが弱いですね』と・・・・八百屋さん同士で

すると その言葉を聞いたのか 若い競り人が 「ベルさん あんた 文句ばっかり言うね!文句多いよ!」と 不機嫌そうな顔をして言ってきた

安い価格を打診していたので こんな安い値段で何が巻きが弱いだよ!と 言いたかったのだろうか???

ちょっとビックリした 安城市場 岡崎市場と25年 通っていて 一度も経験した事がない言葉を 刈谷市場で初めて聞いた 

岡崎市場では 一人として例外なく 競り人は八百屋さんを大切にしている ましてや 競り人から あんな言葉を聞いたことが無い また 八百屋も 競り人が困ると 無理な事でも受け入れる 

私は 文句を言った自覚がまったくなかった 

どちらかと言うと 値決めをする野菜の質を評価し 良い部分も強調していたつもりだった 

あれを文句と取るのだろうか?これが無意識の劣等感なんだろう・・・・

それにしても 八百屋が仕入れる野菜や果物は 私達の物ではありませんからね

仕入れる野菜はお客様の物です

その お客様の代わりに 私達は野菜を見極め 質によって値決めをする

これが八百屋だと思っていたので 競り人の言葉を疑ってしまった

”商売は元にあり”と言う言葉があるように 仕入れ先である市場の競り人には 人一倍気を使っているつもりだった・・・・



しかし こういうのが面白い! こういう時こそ 人を学べるんだよな


競り人の彼は 初対面の時から  劣等感が強い人のように見えていた だからなのか 自分の仕切る商品を貶される事で 自分が馬鹿にされたと思ったのであろうか

また 私自身が 大きい岡崎市場がメインなので それに対しての当て付けだったのだろうか

これこそ 劣等感 !

無意識に自分が見下されているように思えて 常に自分が上の立場に立ちたがり 正しさの価値基準が 自分なんだと勘違いしてしまう

自らの正しさを 他人に植え付け 教え 注意することで 相手に劣等感を与え さらに 自己満足で相手から優越感を得る



こんな話を聞いたことがある

市バスに 80歳を超えたであろう お婆ちゃんが 乗ろうとしていた時の話だ

お婆ちゃんが ゆっくり 手すりにしがみ付く様に 時間をかけて バスに乗り込んだ

運転手に もたつきながら 財布の中の 高齢者特別乗車証明書(無料)を 取り出し見せる

その時 バスの運転手が 「ツッ!」と 舌打ちをして 「早くしろよ!」と 小さな声で お婆ちゃんに言った

お婆ちゃんは 体裁が悪そうに 深々と頭を下げて 「すみません」と 謝った

バスの運転手を見ると [老人に対して 只で乗せてやってんだからよ]と 言わんばかりの 不愉快な顔をしていた 

その情景を見た乗客は みんな嫌そうな顔に変わっていた  バスの運転手の行動にだ!

そして お婆ちゃんが 座席に座ろうとした途端に発進した



それだけの話なのだが・・・



きっと 運転手さんは 予定時間通りに運行出来なくなることを恐れ 焦っていたに違いありません

運転手さんは 無意識に したことでしょう

ノタノタして 乗るのに時間がかかった お婆ちゃんは すでに乗っている乗客に 迷惑をかける 悪い乗客だと 判断したのでしょう

それも 運賃も払わず 只で乗っているのですから 図々しく 厚かましい乗客としても映ったのでしょう

状況として 正義は 運転手にあるわけです

そこで 運転手は お婆ちゃんを責めることで 劣等感を与え ”お婆ちゃんは 皆に迷惑をかける 悪い人なんですよ” と 伝えたのです

悪を成敗した自分は 良い運転手として満足を得て 優越感に浸れるわけです

ここなのです 劣等感の強い人程 自らの正さの基準で 人を責めて 優越感を得る 

優越感を得ることで 自分の劣等感を埋めようとするのです 無意識に・・・・

自分に劣等感があることなど 知るよしもなく

まさしく 私が 刈谷市場の競り人から 受けた情景と似ています


この情景を見て 運転手が悪くて お婆ちゃんが可哀想だ!と 思えた方が見えるかもしれません

そう思えた人は 心が優しく 人として成長されている方たちなのです


しかし 世の中は そんな人ばかりじゃないんですよね

正義か悪か なんて 本人次第


だから 勘違いをしてはいけない! 運転手も 刈谷市場の競り人も 決して悪いわけではないのです 

彼らには 彼らの理由がある

だからこそ 彼らは 他人を傷つけている事すら 気付けていない 傷ついているとも思っていないのです

だって 自分が 正しいのだから!


今回は 無意識に持つ 劣等感の一つを 再認識できました

また 人を学べた


大切なのは 自分の言葉が 他人に劣等感を与えない様に 意識することだなって


あ! BLOG  脱線した・・・・・・・・OTL

2014年11月3日月曜日

反省とお詫び 意識の低さと学ぶことの大切さ

基本的に 良い事しか書かないBLOGで御座いますが 時として 反省や今後の戒めとしても 自分の力不足を書かなければと思います



本日 お客様より ご指摘が御座いました

時期はずれの 小玉スイカで御座います



























こちらの小玉スイカが 熟れすぎてしまい 果肉が透き通り 崩れてしまっているとの ご指摘を頂きました

ベル商店の果物は 仕入れをして間もない鮮度の良い果物を販売するようにしています

どうして このようになってしまったのか 市場へ直ぐに確認を取らせて頂きました

こちらの小玉は 最終品で 名古屋の市場でストックされていたとのこと

スイカそのものは追熟速度が遅いため 普通は問題無いのですが 最終出荷の物の中に 果肉が熟れ過ぎる物があるとのことでした

それにしても 出荷の段階で 追熟状態が個々で変わっていることへの意識が 私自信 低すぎました

販売する段階で しっかりと確認するべきでした

当然 購入後の食す時間差も御座いますが 追熟しすぎた小玉スイカを販売しましたこと 

深くお詫び申し上げます

お客様に美味しい果物 野菜を提供する立場で 最大の失態で御座いました

まことに勝手ながら ベル商店からの果物 お野菜で 傷み物が御座いましたら 必ず交換をさせて頂きます

入荷の終了してしまった果物も 同等品以上の果物と交換させて頂きますので ご連絡下さいます様 宜しくお願い致します

大変 申し訳け御座いませんでした


























ご指摘が御座いました小玉スイカの検証で御座いますが 2玉 店頭にありましたので カットしました

こちらの物は問題が無かったのですが 種周りの部分から果肉が柔らかくなりそうな形跡が御座います

やはり 最終出荷の果物は 仕入れしたての物でも 見極める必要があることが 分かりました

お客様には 大変ご迷惑をお掛けいたしましたが 反省をして 季節はずれの果物は 特に慎重に仕入れをしていきたいと思います




本日は 反省のBLOGで御座いました