それとも 建築の世界が こんなもんなのだろうか?
その日は 最大のピンチと ショックを受けて まともに寝られなかった!
運が無いのか? それとも人力が無いのか? はたまた 知識不足なのか?
よくもまぁ 次から次へと 問題ばかり!
今回 大きな2つのトラブルを 同時に抱える事になる・・・・どうなることやら!
タカラシステムキッチン 水栓
キッチンも 無事に施工が終わり 翌日には 設備屋さんが 接続に来て下さいました
半日仕事で御座います
現場に少し 顔を出して 今後の打ち合わせを兼ねて 10分ほど雑談をした
お昼を周って お店に 毛受さんが 「終わったぞ!」っと しかし 何か 表情が思わしくない
『有難う御座いました 後で確認してきますね!』っと・・・・
すると
「出来たんだけど 水の出がわるいんだわ!」
『どうしたんですか?』
「色々 試したり フィルターの掃除もしたんだけど 出が悪いんだよ!」
そう言って 2人で現場へ 確認に行く

水の出を見ると なんと チョロチョロ!
どう見ても おかしい!
しかし この時点で 原因が分からない
毛受さんは まず 蛇口の中の 細かい網状の濾過具を取っては 掃除して 私に見せた
次に 逆支弁と言われる所も 掃除をする
しかし 変わりは無い
何が原因なのか 少しずつ確かめていくことにした
まずは 止水栓までを 確かめてみよう!

そこで 止水栓から 直接出してみることに・・・・
管を直接繋いで出してみると 驚くような勢いで水が出てきた
止水栓までは 間違いなく水は来ている事が分かった
となると 水栓に原因があることが判明する
しかし どう考えても 初期不良なんて考えられないのである
構造そのものが 単純な水栓で 初期不良なんて起こりようが無いからだ
あるとするならば 人為的なミスになるだろう
直ぐに 飯田商店の 田中君へ連絡をする
こういう時の対応は 凄く早かった!
もう一つの 飯田商店の魅力が ここにもあった
私が昔 学んだこと 営業は 誰でもする様な事は 違いが分かりにくいが トラブルが起きた時に 営業マンの差が出ると言うこと
私は トラブルに 精一杯対処することで 沢山のお客様から 可愛がられていた
なぜなら 急いで 対応しなければ しないですむ事だし したからと言って 売り上げが直接上がるわけでも無い そう 会社側から 評価がされない仕事なのです
しかし ここが大切 トラブルとは困っていると言う事 その問題に対して 出来る限りの事をする!
だからこそ ここに 人としての気質が表れるのです
今回 飯田商店の田中君 津田産業の新崎君 そしてタカラの営業マンの連携によって すぐさま 修理が行われることになりました
散々 施工打ち合わせの件で 貶してしまった タカラの営業マン トラブル時には とてつもなく早い対応を取ってくれた
有難う御座いました タカラさん!
タカラスタンダードからの連絡を受けて 営業マンに 経緯を説明する
直ぐに理解をされて 修理業者へ 連絡を取ってくれた これが13時のことだ!
すると15時に修理業者から連絡が来る
「修理はいつが宜しいですか?」
私は 『出来たら早い方が!』と 問いかけると
「じゃ 今日でも良いですか?」と
え!そうなん!いいの!
『すみません それでは 本日お願いします』
「それでは 後 1時間ほどで現場につきます!」と 電話を切った
16時 現場へ 来て頂きました 修理業者さんです
ところが 現場に着くと 思いもよらない言葉が 大工工事をしていた伸君からかかる
とりあえず 水道修理の方に状況を話し 実物の点検をして頂いた
その横で 私は伸君から 信じられない言葉を聞いた
「鈴木さん 可動間仕切り レベルが合わなくて 普通に付けられないです!」
えっ!何?それ!一瞬 水栓の問題なんか吹っ飛んだ!
直ぐに我に帰って 伸君!ちょっと待ってて!
もう パニック!
とりあえず 水栓から 『どうですか?』
「やはりゴミですね!」
そういって 水栓をばらし 混水のカートリッチを取り出した
よく見ると 小さな8mm程のフィルターに耳垢ほどの小さなゴミが付着していました
カートリッチを交換して頂いて 再度 蛇口を回し 水を出してみる
先ほどよりは 水の出が良い様だ!
しかし 止水栓から出ていた 水の勢いとは違い まだ弱々しい
修理業者と私とで 結論が出た
間違いなく 水栓の管にゴミが まだ詰まっている
その結果から 導き出されるものは そう! 水栓の交換だ!
この水栓の定価 36180 自分で負担になるのか?
もう ボロボロだ! 自分は何もしていないのに どうしてこうなるんだ?
ちょっとまて! このゴミを誰が混入したのか!
施工業者なのか?設備屋なのか?ここで責任と言う言葉が出てくるのですが
しかし ゴミの形跡だけでは どちらが?と判断できない と言うのが修理業者の判断だった!
やっぱ 自腹か?
そこで 藁をも縋る思いで 飯田商店の田中君に タカラさんの保障で何とかなりませんか?とメールを送った・・・・・・
LIXIL 可動間仕切り 上吊り方式開閉壁
現場では 水栓の原因を突き止め 修理業者の方に この状況をタカラに伝えて頂くように言ってお別れをした
瞬間に 頭が切り替わる 大工工事のメンイベント!今回最大のアイテム 間仕切りドアだ!
今回のリフォームで 一番頭を悩ました建材! 最後の最後まで悩み抜いて 予算まで 飯田商店さんと津田産業さんに ご協力して頂いた商品だ!
ここに来て 施工でトラブルって 晴天の霹靂だった
伸君の説明はこうだ!

現場状況
コンクリートの下地のレベルが出ていない状態で フローリングを直貼りすれば 当然 床が波打つ!
建具はもとより 今回のL型は さらに精密さが必要になってくる
ま!水平が出ていないことが 致命傷なのですが 鴨居(横枠)は必ず水平でなければ 建具が傾きます
簡単に言うと 鴨居が水平でないと 引き戸が傾いて 扉同士が 閉めたときに 縦の隙間が出来てしまうのです
で! 床が水平ではないと 当然 引き戸と床に 横の隙間が出来てしまうことになります
今回は 1面は何とか 床の水平が保たれたのですが もう1面がなんと 12mmも下がってしまっていたのです
たかが12mmって!
確かに隙間は 出来てしまっても仕方が無い!
しかし このLIXILの可動間仕切りは 上吊り方式!
鴨居にレールがあって 下はガイドピン!
LIXILの上吊り戸 このガイドピンが最大の特徴になります
このガイドピンがLIXILの特許なのか よく出来ている
引き戸が上を通過する瞬間 カチッと鳴って 下からピンが出てくる構造
そのために水平の床に対して 引き戸との隙間が8mmと決められている
その 8mmの見込みに対して さらに12mmプラスとなると 床と建具に20mmの隙間が出来て マグネットの力では ピンを引き上げる事が出来ない
どうしようも無い状況が 起こってしまったのだ!
定価 583200の可動間仕切りが まともに機能しない事になるのだ!
そこで 伸君が提案をする
片面はそのままで もう一方の面を12mm下げようと言うのだ
上の手書きの図が簡単に書いたものだが 要するに 手前のドアと奥のドアがコーナーで当たるときに 上下に12mmずれる事になる
枠もレールも 同じように12mmズレル事になる
その場で どうしたら この状況を打開するか考え始めた
どう考えても L型可動間仕切りの建具の接点が ずれている事が想像できなかったからだ
とにかく 考える!
伸君に さらに詳しく現場の状況を聞く!

この写真は ちょうどL型の接点をずらさない様に施工する方法の糸口が掴めた所だ!
話しながら 伸君も 少しずつ見えてきたようだ!
とりあえず 色んな方法を お互いに話した
ここが彼の凄いところだ!
本来 大工さんと言う物は 自分にプライドを持っている
もし 仕上がりが その状況下の中で BESTでは無くても 自分の考えを 変え無い方も多くみえる
ところが 彼は 私の提案を 直ぐに受け入れてくれたのだ
私が立場的に上になるからではなく 彼自身も 学び成長しようとしているからだろうと 察した
若いから経験が少ない!のでは無く 若いからこそ 沢山学び 素直に経験を積む事を 彼は理解していた
この事は 彼の更なる技術向上に繋がる事を 彼自身が一番良く知っているようだった
本当に彼は素晴らしい大工だ!
彼の為にも 今晩は徹夜で 図面と睨めっこすることに決めた
今日は 伸君のお友達の大工さんが来てくれていた
彼は間瀬君 私と同じ年だ!
仕事ぶりを見ていて 彼は 何か楽しそうに床を貼っていた
優しい人柄が 瞬間に伺えた
仕事具合を見てみると これがまた 仕事が綺麗
床と建具のアンダーがピッタリ!
伸君 ほんと 良い仕事仲間が居るんだな~
いやはや 細かい細かい!
建築とは いかに緻密に 計算されて出来ているのか 改めて感じた
2時間程 読みふけっていると 何となくだが 少しずつ見えてくる

簡単なスケッチだが 頭の中では 半分 運に任せていた
正直言うと 本当は 徹夜をしようとしたんではなく 眠れ無かったのだ
それは 諦めていたから 最悪の状況を考えてしまっていたからだ
床の低い方の片面の建具を固定するとか!下のレール部品を12mm下げるとか!
はたまた マグネットのガイドピンを床2mmではなく10mmまで上げてしまうとか!
どの方法を取っても ダメダメな選択だった
不安と 絶望と 少しの期待と この可動間仕切りを選んだ事への後悔とか グルグル回っていた
時間は一瞬で過ぎ去り 不安な朝を そのまま迎えた
朝6:00 市場へ行っても どことなく 落ち着かないのが分かった!
市場から帰ると 妻に話しかけた
『もし 今回 間仕切りドアが付ける事が出来て キッチンの水栓を保障内で取り替えてくれたら 奇跡だよな!』
妻も 「ほんと 奇跡だね!」と・・・
それ程までに 今回は追い詰められていた
8:25 伸君と間瀬君が現場の駐車場に現れた
私は 伸君に 一晩中考えた知恵を話し 簡単に書いたメモを渡した
伸君はそれを持って「マグネットが20mmで付いてくれればイイんですけどね!」と言って 余裕だった
私は 直ぐに八百屋の仕事へ戻り 心配しながらも 普段の仕事をこなした
今日の仕事は とても忙しく 八百屋さんの方に 意識が集中したのか 時間があっという間に過ぎていった
忙しさのあまり 昼食の時間が15:30の 少し遅い時間になっていたのに気づく!
お店から 自宅へ戻ろうとすると ちょうど 伸君と間瀬君が 3時の休憩から戻ってくるところだった
すぐさま 確認をする 『伸君!開閉壁 どうだった?』
「今からです ガイドピンの穴は開けたんで これから確認します!」
私の不安は 一向に取れることは無かった!
食事を終えて4:30頃 現場へ行って確認しようか 悩んでいた
すると 町にカーン カーンと何やら金属音! その音を聞いて 私は嫌な想像をしてしまった
もしかして 取り付けに失敗をして アルミのガイドレールを叩いて 外しているんじゃないか?
見るのが怖くて 現場へ足が進まない!
5:00 終了時間だ このタイミングで行かないと 伸君と話せないので 重い腰を上げて現場へ急行した
やっぱり 足は重い エレベーターの中で 色んな悪いイメージが走馬灯のように過った

現場に着くと 想像していた状況ではなかった!
え!何で!何で出来てるの?
私は自分の目を疑った!
あれ? 確か枠を12mm上げて・・・・そこにコンパネを敷いて・・・・え!
直ぐに 伸君に話しかけた 『伸君 どうしたの?コンパネ入れてないじゃん!何でできたの?』
すると 彼は答えた
「伊藤さんが今日来てくれて 横枠を傾けろって言われたんで! ただ 縦枠も少し傾きますけど!」そう言って 説明をしてくれた
感動ものだった!レベルの違いが12mmでは 本来 致命傷になるはずが・・・・・
2mの長さでの 微妙な下げなら 12mmは許容範囲だった
よく見なければ 垂れているのが分からない そして縦枠も微妙なズレで終わっていた
簡単に写真で説明しますと

コーナーの付け根が標準の高さだとすると 奥へ行くと 床の下げ分だけ 横枠を下げる
水平の下地との比較で 垂れているのが分かるが 言われなければ気づかない変化だ!
実際に この傾きは 滑りの良い上吊りの金具だと 縦枠に近づけて行くと 手を放した状態で ゆっくりだが建具は 縦枠の方へ 自然に滑って行ってしまいます
しかし ここが凄いのだが このレール ストッパーが付いていて 中間で止めたい所には しっかり止まり 縦枠方向に滑って行っても ゆっくり建枠に当たるようになっている
100点では無いが 80点の合格ラインだ!
いや この最悪のマンションの構造からしたら 100点だ! さらに 安い予算の事を考えたら 120点あげてもいいレベルだ!

こちらも 数ミリ 傾きが でてきてしまう
下の方へ行くほど 外側に出るのだが ドアを収納した状態で見ると 傾いて出来るはずの隙間が ほとんど見えない様になっていた
本当に 凄い!
狸に化かされた感じだった! 不可能だと思われた 施工をやってしまったのだ
ま!本当は ちゃんと大工工事を始める前に コンクリート床下地のレベルを直しておけば こんな問題も 起こらなかったんですがね
下地を行えば 行ったで 工事予算が付いてきて 金額を聞いたら やらなかったと思う
そう考えると 一か八かの賭けに負たと言うことになります
負けた博打を 大工の伸君と ito‐proの伊藤君が 逆転 勝ちをさせてくれたことになります
ここでも彼らに助けられた 経験と直感 こういう時に 発揮する!

で!伸君は何をしているのかと言いますと・・・・・
アンダーレールを外しています
私が出した最終手段ですが 話を聞くと
「建枠を下げたんですが 磁石が微妙に拾わないんです!」
やはり 床が波を打っているので 数ミリ届かない距離があるみたいだ
結局 メーカの指定した8mmの見込みしか マグネットの力が届かないことが分かった
そこで 一旦レールを外して 4mmのべニアをかませて マグネットレールを下げることにしました
レールを外し 4mmべニアを測っているところ
真剣そのものです
大工の底力ですね
素人では分からないことを 経験と勘で形にしてしまう
ここが 私の頭の固い所でしょうかね 決められた範囲でしか 発想が出来ない!

この可動間仕切りの施工は 現場状況が最悪の中での 妥協による施工だった
それでも 納得できる妥協で 施工が出来たのは やはり 知恵と経験から来る伸君の力だった
プロはプロ センスがなきゃ こんなの出来ない
ふと過った 若いころ建材営業マンの時 現場で問題が起こった時こそ どのような対応をするかで 営業マンの真価が問われていたことを!
職人も 同じなんだな 素人が不可能と思った施工時に ギリギリの満足で 建築を完成させてこそ 職人の進化が問われているんだと!
伸君の仕事姿をみて ほんと 良い大工さんと 巡り会えたと思う
こちらが 伸君の加工をしたアンダーレール 4mm分 下がっています
この4mm下げた事で マグネットの力が生きてきます
こちらは 間瀬君のお仕事 床貼り
いや~ 彼の仕事は 本当に丁寧だ!
玄関の床貼を見させて頂いて やはり綺麗にしあがっていた
垂木でかっているのは 框部分で 面を合わせてくれています
玄関は家の顔ですから ここがピシッと!決まっていれば その家が締まる!
今回 選んだ 白のフローリングは 小さな隙間や 傾きだけでも 目立ってしまいます
慎重に貼って行かなければ 荒が見えてしまいます
簡単に言うと 素人でも 大工の腕 技量が分かってしまうと言うことですね
こんな小さなフローリングを 1枚1枚 糊を付けては貼って行きます
お金にならない 仕事だな~
こういう所も 伸君や間瀬君に感謝しなければな~
無事に アンダーレールを4mm下げたことで 磁石でしっかり ガイドピンを持ち上げました
こちらは穴にボンドを塗って ガイドピンをはめ込んでいるところです
本来ですと ガイドピンの径より 若干小さくして 打ち込むのですが 今回 直貼りフローリングの為 木の部分が9mmしかありません 4mmベニヤの下地を入れて 13mmです
ガイドピンが13mmなので 力をかけて押し込むと 薄いフローリングが割れてしまう危険性があるので あえて 伸君は 1mmほど大きめに開けて そこへ床ボンド流し 止める様にしました
しかし この方法 ボンドを多くすると ガイドピンを押し込んだ時に ボンドが流れて 金属のピンを 固定してしまう危険があるので 慎重に ボンドの量を調節しながら 細かく塗っています
ここまで 気を使ってくれているのか! 伸君 本当にありがとね!
仮に完成をしました 内側からの写真です
写真では小さく見えますが 実物はそこそこデカいです
高さ2300mmありますからね
外側から見たところです
今まで壁だったのですが 同じ壁でも スリガラスの壁は解放感があります
こちらはキッチン側から見たところです
リフォーム前の コーナー同士の壁の間が狭くて 圧迫感がありましたが 間仕切りの位置を 伸君の判断で 今までの壁の内側に施工したことで ドアを閉めた状態でも 広く感じるようになりました

内側から解放した状態ですが袖壁も 思ったほど出ていなくて 解放感は保たれました
購入する前の イメージより 断然効果的だった可動間仕切り開閉ドア
何とか無事に取り付けが完了しました
私も 勉強になりました
自分の思い描いていた完成形に さらに近づいた!
今日は ゆっくり眠れそうだな
今 あらためて思う 安心て 最高の贅沢だ!
あ!そうそう この後 自宅に戻って メールを確認したら タカラさんの保証で水栓を交換して下さることになった
タカラの営業マン 飯田商店の田中君 津田産業の新崎君 有難う御座いました
彼らも また 最高の営業マンです
あ~~っ!(´〇`) 書きながら眠くなってきた・・・・
今日 私の中で 奇跡 zzz は zzz 起き zzz (_ _ )zzzZZZ た~~ そして寝た zzzZZZ