先日 長女の担任の先生からお電話がありました
長女の通う安城高校の生活文化科の生徒の皆さんが調理するフルコースの試食会へのお誘いだった
さすがに それは腰が引けてしまうので 丁寧にお断りをさせて頂きました
本当は 嬉しかったんですけど・・・・・
変わりに 生徒さんたちが作る生文花堂弁当を夫婦で頂ける事になりました
1年を通して4回しか実施がなく ましてや一般での販売をしていないお弁当
私たちが お金を支払っても食べることが出来ないお弁当なのです
そんな貴重な お弁当を私たち夫婦で頂けるとのことで 今日はテンションMAXです
午前中の仕事を終えて お昼頃からソワソワしはじめます
長女が13時に持って帰ってくるとの事で 妻と二人で楽しみに待っていました
ところが いっこうに帰る気配がない!
頭の中で 不安が過ぎる・・・・・・・
生徒さん達にトラブルでも遭ったのだろうか?心配になってきます
まぁ それだけ大変な作業だと言うことですが・・・・
約束時間の40分遅れで 娘が帰宅した
「パッパ~! お・ま・た・せ~!」
『お~ 待ってたぞ む・す・め~!』
そう言って お弁当を手渡された
これが 生文花堂弁当です (お品書き付き)
本日 午前中の配達時 こちらの学校へ立ち寄らせていただきました
その際に すでに割烹着を着て 三角巾を着けて 生徒さん達が作業を始めていました
荷物の搬入時 慌しい声が調理場とローカから聞こえてきます
私は その言葉から生徒さん達の大変さを まざまざと知ることになりました
食べる側からすると ただのお弁当!
そりゃそうだ 目の前にあるのは 出来上がった料理
生徒さんと教員の方たちはコイン1枚で買うことが出来る お弁当!
でも どれだけの仕込み時間と 複雑な段取りと 学んだ知識を工夫して調理しているのだろうか?
それも業務用器具ではなく 一般の調理器具で沢山のお弁当を作る
自分で作って 自分で食べる分には楽しく出来る料理も 自分以外の人に食べてもらう料理は真剣そのものである
営利が関係なくても販売する以上 それはもう ただのお弁当じゃない!
娘からも この生文花堂弁当の調理に対して 本当に大変だと聞いている
前回の実施の時も お昼過ぎの配達で 調理後の作業場をみて どれだけ大変な事かが分かった
そんな貴重なお弁当をいただけるなんて ”感謝” の言葉以外に何もない!
だからこそ 生徒の皆さんへ 夫婦二人 感謝の想いで合掌
『いただきます』
私達も真剣に食べさせて頂きます

こちらが 本日の弁当の中身です
見た目も 綺麗に配置されています
それでは 頂いておいて恐縮なのですが 味の評価をさせて頂きたいと思います
[お品書き]
ちらし寿司
珍珠丸子
クロケット
なす緒翡翠煮
福包み
蛇腹キュウリ
だし巻き卵
ちらし寿司
酢が強すぎず ほんのりと酸味を感じる程度 これが弁当として成り立っている
多分 酢が強すぎると おかずが合わなくなるような気がするので絶妙な酸味である
その上にかかる桜でんぷん 搬入した材料からして手作りであろう
手間をかけたことが よく分かる
かかっている量も 甘さも丁度良い
色合いも 一瞬 蟹か?と思わせる 味も美味い!
珍珠丸子 : 肉団子のもち米蒸し
本来は点心として食べられています
御菜として食べるにしては お米&お米で 合わない様に思えますが ご飯ものが ちらし寿司であるが故に違和感を感じない
作りはどうでしょう?
周りの餅米ですが しっかりとパールに光っています 餅米の固さも程よくあって中のお肉の弾力と合わせて食感良し!
お肉の味は塩加減が押さえてあるのか肉の旨味が出て美味しい
クロケット
この中はクリーム そこにコーンが入っていてアクセントになっていた
以前 イタリアのコース料理で食べた事があったが 熱い状態で食した それとの比較として
今回は弁当で冷めた状態になっていたが トロミが固くなる事も無く 味も美味しい
ベシャメルソースが家庭料理ぽいかなと想像していたが本格的な味だった
一押しだ!
なす緒翡翠煮
懐石料理なんでしょう!
見た目 茄子が綺麗なグリーンに輝いています
あんがけしてありました
茄子そのものの味も薄味の為よく分かる
薬味ネギが厚切りだったので 苦みを意識していましたが あんと茄子とネギを 同時に口の中に入れて噛み砕くと このネギが絶妙に生きてきた
薬味は晒したのだろうか?ポイント高いぞ!
福包み
油揚げの中に鶏肉のササミとキャベツが入っていた
味のつきにくいササミをキャベツの甘さで合わせている
油揚げにしみこむ煮汁が ほんのりと甘く薄味ではあるが浸ると この位の塩加減が丁度いい!
一緒に煮たであろう人参ですが どうやったのか 独特の人参臭さがない!
ちょっと人参が苦手な私ですが これは美味いと思った
蛇腹キュウリ
こちらも技術の見せ所でしょうか 綺麗に蛇腹切りが出来ていました
こちらは浅漬けになっていて ほんのり酢の味がして最後の〆に
だし巻き卵
これはもう言わずとしれた卵料理
寿司屋では この味で店の善し悪しが問われてしまう程 単純で難し
調理は 卵が焦げる事も無く 半熟状態も無く 素晴らしい技術です
味は お寿司屋さんや卵焼き専門店とは違います
商売の場合は甘さを強調して作リますが こちらのだし巻き卵は基本通りのだし巻きに思えます
その分 卵の本来の味がしっかりと分かりました
私も昔 寿司屋のバイトで だし巻き卵を作っていたので 生徒さん達の大変さを共感します
これで お弁当は全部 美味しく完食させて頂きました
今回 私は3ヶ月程かけて10kgのダイエットをしました
そのため お肉は殆ど食べずに野菜と稚海藻を中心で食べてきました
当然 塩分を控え 味付けは薄味の料理ばかりでした
結果 味覚が驚く程 敏感になっていたのです
食材 其の物の味が特に分かる様になっていました
そんな中での 基本に忠実な生文花堂弁当が どれほど美味しいお弁当なのかが分かりました
もし 3ヶ月前にこちらのお弁当を食していたなら これ程までの感動は無かった様に思います
どれほど 基本が大切なのか!
もっと言うと 基本の料理がどれほど人の体を守っているのかを実感したお弁当でした
デザート シュークリーム
こちらのシュークリームはお品書きの裏にイラストと供にレシピが載っていました
こちらも本当に基本の作り方になっていました
私の様な おっさんでも何故かシュークリームが大好き
沢山食べる訳ではありませんが ”ケーキで何食べる?” と聞かれると
”シュークリーム”と必ず答える程 大好き!
だから ちょっと煩い!
食後にシュークリームを頂く
一口食べて 目の前に居た 長女と妻に
『おい!これ!マジで美味いぞ!』と叫んでしまった
どれほど美味いのか!
年に数回 食通の友人に 名古屋のセレブの行くケーキ屋さんに連れていってもらっています
そこでは1個¥600以上もする高級ケーキが並んでいます
私は いつも決まって シュークリームを頼みます
まぁ一番安いと言うのもありますが そこのシュークリームが美味しいからです
今回食べたシュークリームがそこのカスタードと比べても 劣らない美味しさだったのです
このシュークリームを食べても いかに基本を忠実に作る事が大切かを知りました
特にケーキ類はレシピのとおりに作ることが美味しいケーキを作るコツだと言われていますから
これは本当に驚きでした
美味い!
『ご馳走様でした』
全て食べ終えて 生徒さん達の力の凄さに関心してしまいました
もちろん 生徒さんを指導された教職員の先生方の指導の賜物である事に間違いはありません
今回のこちらのお弁当の指揮をとられた先生にも 頭の下がる想いで御座います
また ほんの少しでは有りますが ベル商店としても 生徒さん達のお役にたてている事に
八百屋としての誇りを感じます
それと 3年前に私の長女がこちらの学校へお世話になり始めた頃 宿題で胡瓜の輪切りが有りました
たまに長女と一緒に料理をしていましたが いざ 輪切りをやらせてみると全然 切る事が出来ないではありませんか!
それどころか 包丁の使い方一つまともに出来なかったのです
切らせてみると透き通る程薄く切らないといけない胡瓜が1mm以上もある 時間もかかる いつ指を切ってもおかしく無い切り方
どれだけ手本を見せた事か!何本の胡瓜を切り続けた事か!
3年経って そんな娘が 今や弟や妹の食事を作って食べさせれる程の上達振りである
3年生になって ファッションコースへ進み 調理からは離れましたが 調理の基本はしっかり出来ています
今 娘をこの生文科に入れて本当に良かったと 改めて実感しました
娘には いつか 愛情あふれる 母親になってほしい・・・ そう願わずにいられない!
個人的な意見ですが 料理は愛情そのものに感じます
子供は料理で親の愛情を感じるような気がする
高級食材や美味しい御菜で無くてもいい
お母さんの手間ひまかけた料理が 子供の心を温かくするような気がする
どうしてか?
出されたご飯で 自分が愛されていると感じるからじゃないかな・・・・・
だから私の妻は どんなに忙しくても 睡眠時間を削ってでも お金がなかった時でも
毎朝 毎朝 一人一人お盆の上に 小さな小皿を沢山並べて朝食を出している
もう20年以上も・・・・・・・
妻が作る 今日の私のダイエット朝食
