2015年 3月15日
8年と3ヶ月かかって 私の目的の 第一歩が 果たされる事になった
それは 長男と旅をする事!
2006年12月17日は 私の遣り直し人生と 父親としての再出発を 誓った日だった
あれから もう 8年!
あの時 長男と 世界を旅することで 親子を 取り戻そうとしていた
しかし それは 叶わなかった
何度も 何度も 旅を誘ったが 断られたからだ
でも 下の三人の子供たちが 私に勇気をくれて ”子供達と世界の旅”が 始まりました
他人からしたら 只の 贅沢な海外旅行だ
お金を掛ければ 誰でも出来る 世界の旅
しかし 気の小さい私にとっては ”恐怖” そのものでしかない
だからといって その旅を したから 人生が変わる! とか 子供が変わる!なんて 思っていない
人が そんなに簡単に 変わるわけが無いんだから
そんな事 分かってる
それでも なぜか 旅をする事に 小さな期待を抱かせ 達成感を得ようと していた
私は 8年間思い続けてきた 今回の旅で 長男と 向き合いたいと思っている
あの頃 まだ 中学生だった長男は もう 成人を迎えた社会人に なっている
時間が経っても 親子という関係は 私が死ぬまで 消えることは無い
いや 死んでもなお 私が親であることは 無くならない
だからこそ 自分が 親である為に 挑戦してみようと思う 未知の国へ
ただ 間違えては いけない!
この旅は 長男の為に する旅ではなく 私自信の為の旅である事だけは 間違えずにおこう
自分が 親として一歩を 踏み出す為の 旅
行き先は 中東 オマーンの小京都へ ローカルバスを乗り継いで行く旅
現地の人に 助けて貰いながら その町を目指してみよう
条件は ケチケチ旅 最小限の予算で 旅へ出かけます
私は 父親をやり直せたのか 人生をやり直すことが出来ているのか・・・・・・・・・
その答えを これから 長男が 教えてくれるだろう
この旅で・・・・・・・・・
旅の計画
中東 オマーンに行くには まず ドバイに行くことになります
そのドバイに 簡単に 安く 行くためには 3つの方法がありました
1つ目は エミュレーツ航空の 直行便で 直接ドバイ
2つ目は エティハド航空で アブダビへ入国して バスでドバイ
3つ目は 東方航空で 乗り継いで ドバイ
1つ目の エミュレーツ航空は 羽田 成田 関空のみの 出発になり 名古屋セントレアには 就航はありません
2つ目 エティハド航空は セントレアに就航があるのですが 北京経由で 航空運賃が かなり高い! 成田・関空も 有り
調べてみると 名古屋発 アブダビまで100000(総額)との事 こんなんじゃ行けるわけがない!!
私は3年前に このセントレアからのエティハド航空で ヨーロッパへ 次男と旅をするのに使ったのですが 当時 往復 70000(総額)でした
このUAEは 3年前 ヨーロッパの帰り ドバイへ 寄る予定だったのですが 何せ 次男が まだ 小学生で 西ヨーロッパ横断だけでも 大変なのに ついでにUAEなんて 酷だと考え 断念した国でした
実際 ヨーロッパからの帰国便の時は 次男も私も 疲れ果てていて 寄らないで 正解だったのですが やはり 大きな未練が拭えませんでした
そりゃ 空港で 「カンドゥーラ」を着て「クゥトラ」をかぶっている人を見て アラブって こんなの着て生活しているんだと思ったら 魅惑の国に感じますよ
日本じゃ いませんからね
3つ目の航空会社ですが セントレアからの安い便 東方航空で 50000(総額)がありました
しかし これが 乗り継ぎが悪く 上海で1泊が必要です
上海で1日立ち寄るのもイイかなと思ったのですが 1つ大きなリスクが ありました
上海からドバイへは 毎日就航しておらず 万が一 欠航が出た時には 次の日の振り替え便が無い事
社会人の息子は 有給休暇を使ってなので 必要以上の日数は取れない
いくつものプランを考えると ある条件を満たせば 格安の航空券があるのが分かった
肉体的な苦痛を覚悟できれば 成田空港から出発する エティハド航空の 格安航空券だ!
その苦痛とは 成田空港までのバス移動!
新幹線なんてものは使いません! ましてや セントレアからの空路も使いません
成田空港発 アブダビ経由ドバイ行き チケット
NRT⇔AUH 往復チケット 19800
燃油サーチャージ 2月以降 14000
合計で33800 だ
これに 空港使用料や手数料を合わせても 往復40000ちょっと
夢の様な プレミアムチケットを 探し当てた
アブダビから ドバイは 予約時の手配で 無料のバスで行けます
あくまで 当日の航空券を持っているのが条件です
私達は 片道20000のチケットを手に まずは アブダビ経由のドバイを目指ことになりました
息子は しっかり 地球の歩き方 ”ドバイとアラビア半島の国々”を 購入していて それなりに これから 私が 何をしようとしているのか 意識していた
私は 地球の歩き方なんて 買ったこと無かったので・・・・・ケチで 本すら買わない!
でも この地球の歩き方は 現地で地味に 役に立ちました
この中東の旅は 息子にとって 始めて行く海外 その為 息子に配慮したプランにしました
前半は ドン臭い 地元の人たちの生活を身近で見て 後半は リゾートを少し味わい のんびりとした時間を過ごす
どちらにしろ ケチ臭い旅には 変わりませんがね
さぁ~ どんな旅になるかな~
父と子の旅鐘(たびべる)ケチケチ旅で ごめんなさい・・・
スタートします
AM 7:00 のんびりと 起床をして 妻と いつものように朝食を摂る
サラダ と ヨーグルトだけの 健康的な朝食だ!
これから 旅の期間 不規則で 不健康なファーストフードの食事も 摂ることになるための 最後の健康食
妻は 私の体より 今回の旅を とても心配していた
ISISの問題が 起きている最中の中東
安全な ドバイとアブダビでも テロの危険性は ゼロではないので その心配は よく分かった
ましてや オマーンなんて サッカーのワールドカップの時に聞くぐらいの国名
なんで 中東なのか どうして 何も知らない オマーンなのか!
本当に 自分でも ここに拘ったのか 分からない!
でも なぜか 行きたくなってしまったのだ!
妻に 『これから 10日間 頼むね・・・』って お願いをして 長男との 旅のスタートを切った
もう 怖くても 後戻りは出来ない ただ 進むだけ
少ない知識と 人の優しさを頼りに そして 何より 息子に勇気を貰って・・・・・
成田空港を目指す
AM 9:07 安城発 名古屋行きに 乗る
運賃470
東京行きのバスは 殆ど 名古屋駅から出ています
岡崎や豊田などありますが アクセスや 運賃を考えると 名古屋駅が 一番良い!
JR高速バス名古屋駅
AM 9:30 名駅に着くと 新幹線口を目指します
ハイウェーバス乗り場は 分かりやすく 直ぐに見つかります
待合室で 待っている間 長男に Mの店で 朝Mを 一つずつ購入してきてもらいました
ケチケチ旅の必需品
私は必ず 世界中のMに入って その国の だいたいの物価を調べます・・・・・
ビッグマック指数 (各国の経済力を測るための指数)
ビックマックは食べませんけど
一応 日本のMを 調べておいて 基準にします
旅のときしか 日本で Mを食べる事は ありませんからね
こちらのJRバスは早割り21を使用 ただ 日曜日は割引が 少ない
ネット予約 運賃 3980円/人
高速バスと言うと WILLER TRAVEL が 有名ですが 意外や意外 JRバスの使い勝手はイイ!
新東名Sライナー4号 名古屋駅⇒東京駅まで直行で行ってくれます
バスの車内の様子
車内は 3列シートです
日曜日で 割引が少ないのか? シートが高級で 割引が少ないのか?
定かでは ありませんが かなり 楽なポジションで 東京駅まで 5時間30分で 行けます
前後幅も十分なので 直ぐにリクライングして 5時間半のバス移動に 備えられます
ちなみに 2階バスね
途中2回の トイレ休憩が あります
遠州豊田と 足柄 サービスエイリア
停車 15分後に ピッタリ 出発していました
バスの旅も 中々 楽しいものですね
高速道路を 真っ直ぐ走っているだけで 旅に出る覚悟が 少しずつ湧いてきます
東京駅八重洲口
定刻通りに PM 15:30 東京駅 八重洲口に到着
とりあえず 移動の第一段階が 終了
思った以上には ダメージも無く 5時間半が あっという間でした
荷物を 引き取り 次に 成田行きのバスを探します
東京駅で食事を探す
一通り 東京駅の雰囲気を 味わいながら 成田行きのバスを見つけ 昼食へ向かいます
物価が高いと思われる東京
どこの国でも 同じなのだろう 1食1000円の食事もあれば 300円前後の 食事もある
成田行きのバス停近くから 八重洲口地下街へ 向かう
格安のカレー店

見つけましたよ 八重洲口地下街の 外れで タイムサービス 290円コロッケカレー
まっ これから中東 行ったら 嫌と言うほど カレー食べるんですけど
日本のカレーとの比較を込めて 激安カレーに決めました
いやいや ケチだから・・・・・・
息子も 何となく 私のケチさに 気づき始めている
きっと 弟や妹の旅の話を聞いていたのだろう
何も言わずに 嫌がることもなく 自動販売機で タイムサービス290円カレーの チケットを購入
私は コロッケカレー 息子は チキンカレー
コロッケは既製品 カレーは 普通の日本のカレー
しかし 何だろう この美味さ!
やっぱり 安い というスパイスは 最高の調味料なのか!
券を渡して 出てくるまで 1分! 席に着いて 口に かき込み終わるのに 3分!
流石 東京 食事も合理的で早い 時間も大切ですからね
あっという間に 食事を完食しました
バスの待ち時間での食事は 短い方が安心できますからね
東京駅で イイ 食堂 見つけました
成田行きバス停の前から 八重洲口地下街へ 降りる階段があります
階段を降りると 7番ゲート そこに 金色の仔豚像がありました
説明には 「幸運の仔豚像」と 記載があり イタリアのフィレンツェにあるものを模したものらしい
さらに読むと 【鼻を撫でると 幸運を呼ぶ】と 書いてある
私達は 中東への旅の成功を祈って 嫌というほど 鼻を撫で回していた
格安バスで 成田空港へ 向う
成田空港へは 直行でバスがあります それも1000円 事前予約900円
次男とのNYは 名古屋(バス)⇒新宿(JR鉄道)⇒日暮里(京成本線特急)⇒成田 と まぁ めんどくさく 鉄道を乗り継いで行きました
今は 簡単に バスを 1度 乗り継ぐだけで 成田まで行けます
ちょうど 朝のTV番組で こちらの東京⇔成田空港 1000円 で ガッチリ!を放送していて リアルタイムで 乗ることになりました
しかし 便利で 安いですね
16:40発の バスに乗ります
10分ほど 待つと バスがやってきます
TVで観た バスまんまだった
30分おきに 運行しているみたいですが それでも 乗客は 席の半分以上 埋まっていました
一番前の席を陣取り 成田空港へ
途中 スカイトゥリーや ディズニーランドを通過しながら 高速道路を走ります
成田空港 着
無事 成田空港に到着 自宅からの移動距離 460Km
使用時間 9時間で やっと着きました
ここまで ケチケチにすると 馬鹿みたいですが これが意外と 色んな事が経験できて楽しい
どうでも いい時間こそ 旅の楽しさや豊かな時間でもあります
私が予約した エティハド航空は 第一ターミナルにあります
エティハド航空は 全日空とのマイレージ提携をしていますので 私達には最高の航空会社です
これから 航空券の発券をしに カウンターへ
なにせ 格安航空券ですから 実際に手に取るまで 安心できません
エティハドカウンターでチェックイン
こちらのカウンターから
当然 エコノミーね!
Eチケットを見せて アブダビまでの航空券と そこからドバイまでの バスチケットを発券してもらいます
その後 荷物を預けて 終了
チケット ゲット!
こちらが 私達が乗る EY0871便のチケット
息子は 初めて取る 航空券です
もう これで安心 帰りのチケットも 発券してもらえます
この航空券 初めて使う 発券会社だったので 手配がされているか不安でしたが 大丈夫でした
参考までに 直接 エティハド航空から 航空券を買うと 80000ほどします
格安航空券は 数量限定なのですが 早めに取れば 半額近くです!
こうして 私達は 片道20000の チケットを握り締めて 初の中東へ 向います
空港のうどんやで 日本食とも しばしの別れ
恒例になりました 成田空港で 日本の食文化を味わう
”自家製麺 杵屋麦丸”
当然 一番安い かけうどん ですけど!
セルフ式で お盆に うどんをのせ 会計をしていると 私達の前に 若い白人のカップルがいました
会計を済ませると 天カス 薬味ねぎ すり生姜 つゆ など 無料で自由に入れられます
白人の男性が 丼に 山ほど 天カスを入れて 次に山ほど 薬味ねぎを のせて・・・・・
ここまでは なにも問題ない ところが! 次に 七味とうがらしを 山ほど入れ始めた
私は 我慢できなくなって 白人の青年に 辛いぞ!と合図を送った
彼は 大丈夫と 送り返して さらに 彼女の丼に入れ始めた
流石に 彼女の方は 2・3度かけた程度で 「STOP!」と言って 止めていましたが・・・・
本当に 大丈夫なのか心配でしたが それぞれの食文化ですから その後は 何も言わずに 自分達の席を確保して 数日間食べられなくなる 日本食の[UDON]を 心いくまで 味わいました
そして Mへ行って カフェモカを 息子と並んで 飲みます
本当に 夢のようです
こうして 息子と コーヒーを飲むなんて 全てが 私にとって 息子への感謝の想いです
これから 10日間 息子が 私を嫌になっても 一緒に 居続けなければならない 私との時間
息子への気配りを忘れず この10日間を 大切にしようと 思います
エティハド航空 EY871便 アブダビ行き
成田空港内で 食事を済ませ 離陸まで2時間 やることも無いので 出国します
息子は 免税店で タバコの値段を見て 驚いていました
タバコが ワンカートン1000以上も安くなるみたいで 買う気満々 しかし 行きは購入できないので 「帰りに買って帰るよ」っと!!!!
10日後 ここに大きな落とし穴がありました
21:20発の便だと 30分前の 20:50からの搭乗になるのですが なんと 20:30から 搭乗が始まりました
いやはや 不思議な航空会社だな~
搭乗した感想ですが 3年前 私は 次男と セントレアより エティハド航空を使って アブダビまで飛行しています
北京経由 セントレアで日本人20名程が乗り込み さらに 北京で 満席という状況
そのとき 機内の座席の狭さを 中国人用に沢山 乗せるため 格安航空会社並の 座席幅にしてあると 今まで思っていました
しかし ここ 成田発の 機体も 同じ 狭さのシート幅でした
なるほど エティハド航空 エミュレーツに勝てない訳だ!
エティハドで 名古屋からアブダビに到着して トランジットの時 同便だった日本人との 会話を思い出した
「私達 前回 関空から エミュレーツで ドバイまで 行ったんだけど エミュレーツの方が 断然良かったですよ! 」・・・・・・・
狭い座席で 13時間 頑張ります
座席の様子です
前方 壁の向こう側は ビジネスクラスです
参考までに ナリタ⇔アブダビ
・正規エコノミー 往復 約90,000円
・ビジネスクラス 往復 約450,000円
・ファーストクラス 往復 約940,000円
私達は ビジネスクラスの金額だと 10回ほど アブダビへ行ける事になります
機内食メニュー
12時間のフライトなので 食事が2回出ます
案外 機内食って 楽しみでもあります
航空会社によって 色んな形式がありますし 同じ 航空会社でも 離発着の国々で また 違うメニューになりますから
ただ いままで 美味しいと 思ったことは一度もありません
正直 300円位の普通の弁当でも イイんじゃないかな~と いつも 思います
機内食ディナー いきましょう
私は 和風セットメニュー
すこぶる普通
・お米 硬くて芯があります ・おかず 薄味で 食感悪し ・ 寿司の形だけしている
ただし 抹茶のパンナコッタは 普通に食べられました
こんなもんですね 機内食って
食べれただけ ましです
息子 洋食
あくまで 息子の感想です
ペンネパスタ おいしいよ!
パスタサラダも 食べれるよ!
とりあえず 良かった
初の機内食で ちゃんと食べられて・・・・・
確か 次男は 一切口にしなかったからな 不味い!と言って
これが 大人に成った息子との 違いなんだろうな
私達は こうして アブダビへ 向う途中 機内の中で 日本時間の0時を迎える事に なりました!
長~い 移動だけの1日だった
私の横では もう 息子は眠っていた
それも 私の肩を枕にして・・・・・
その時 聞いていた音楽のせいなのか 嬉しさと 子供の頃の長男への罪悪感で 涙がこぼれた
この子が 小学生のころ 私のほうが 息子に対して大きな壁を作っていた
きっと 幼心に 私に 手を差し伸べていたのだろう
しかし 私は その手を 見ることすらしなかった
息子は 沢山 信号を送っていたのに・・・・・
あの頃 親を含めた8人の 笑い合える家族を求めていた
親孝行することが 世の中で 一番尊い事だと教えてもらったから・・・・
でも それは 私一人の幻想 一人善がりでしかなかった
家族! 家族って何なんだ! 無条件で お互いを思いやれる関係か?
親孝行!親孝行って何なんだ! 親が喜ぶことをすることか?満足させることか?
じゃ 親を思って 子供が犠牲になる親孝行って 何だ!
そもそも 親って何だよ!
ずーっと 8年と3ヶ月 考え続けてきた・・・・・・
人は 時間を戻して やり直すことは出来ない!
それでも 何度でも 何度でも やり直そうと思う
大人になった長男と 老いていく私と・・・・
まったく 知らない場所を 旅することで 何かを 学びたい!