UAE・オマーンの旅を終えて この旅を振り返っているうちに 眠りに着いていた
やはり ゴーッという騒音と 心地よい振動は 不自然な体勢でも 自然に眠れるようだ
座席の前の モニターの映画も 途中で寝てしまい記憶にない!
多分 UAE時間の0:30頃には 眠りに着いていただろう
時々 目を覚ましては 息子を見ながら 何時間寝たんだろう?と 何度となく 起きては 寝てを 繰り返していたようだ
行きと同じ・・・・・
よく寝たのか分からないまま 目覚めた 最終日のスタートだった!
アブダビから 成田まで 飛行時間は おおよそ 9時間30分!
現地時間 6時 日本時間11時 機内の照明が点いた
もうそろそろ 機内食だ
固まった体を伸ばすように 通路に足を出して 背伸びをして目覚める
そして 息子を起こして 機内食の準備をさせる
機内では 窓のブラインドを開けて まぶしい太陽の光が 機内照明よりも明るくしていた
モニターを見ると あと 2時間ほどで 成田に到着しそうだ
機内食が配られる
私は この ホットサンドを選んだ
朝食とはいえ 質素な機内食だ!
息子は お粥
行きと同じ 私が お粥を食べられないので・・・・
和食朝食には 味噌汁まで付いていた
息子によると それなりに 食べれたらしいです
まもなく 日本上空へ
息子と 窓の外の 日本列島を眺める
この旅を 思い出す
あっと言う間の時間を 息子と過ごした・・・・・・
息子の 成人になって 初の海外の旅は どうだったんだろう?と ゆっくり 時間の流れる機内の中で 息子の事を思っていた
行く前と 帰国後では 息子に対する見方が 変わっていた
全く 変わっていた
そして 私自身も 変わっていた
無事 成田国際空港に到着
無事に13:15 成田に到着しました
到着して 入国手続きをする前に 免税店へ行こうとすると 行きかたが分からない!
係員に 『すみません 免税店はどうやって行ったらいいですか?』と聞く
係員は 申し訳なさそうな顔をして 「申し訳ありません 帰国便からでは 免税店へは行けないんです」
馬鹿だったな~ ”無知は 損をするな~って” 思いながら 内心は 安堵していた
息子には言えませんが 親の気持ちとしては タバコを少しでも減らして欲しいから
安いタバコを購入する事で 吸う本数が 増え 体を害するのは 本末転倒!
買えなくて良かった!と思ったのが 本音です
私も15年前まで 1日2箱の ヘビースモーカーでした
子供達の為に 2000年の元旦に タバコを止めました
少しでも健康で 少しでも長生きしなければ 子供達の”盾”になる為に!
成人になった息子には 止めた方がイイよ!なんて 言えないですからね~
免税店の失敗を誤りながら 荷物を取りに行く
このバックに ビニール袋を被せて 預けていたのですが 返って来たバックのビニールが 真っ赤に染まっていて 一瞬 ワイン入れたか?って 考えてしまった
よく考えると ワインを入れた覚えが無い!
他の方の 荷物のワインが割れたようで 私達以外のバックも 赤く染まっていました
100 均のビニールで 覆っておいて よかった
無事に荷物を受け取りました
成田空港で帰国食
13:45
入国して 荷物を受け取って 行くのは 当然 ”自家製麺 杵屋麦丸” です
ここで うどんを啜って 思い出す
”旅立ったのは もう 10日も 前の事”
毎回 帰国して思う
食べなれた物が 一番美味いな〜って!
ある家族の巣立ち
美味しくうどんを頂いて 日本に帰ってきたんだな~って しみじみ思う!
東京駅から名古屋駅までの バスの時間を考えながら 時間つぶしと 食後の ティータイムを MACで 楽しむ
14:20
店舗の外で 腰を下ろして 静かに カプチーノを飲んでいると 目の前に 中学生ぐらいの男の子と その母親が座って居た
母親は とても上品そうに見え 子供は賢そうに見えていた
中学生ぐらいの子は ソワソワしている
椅子に座った母親は 下を向いて 悲しそうな顔をしていた
私は 何か あったんだろうかと 目の前に居た親子を 息子越しに 見ていました
数分後 男の子が 「来た!来た!」って 声を上げた
その子の 目線の先には 高校生くらいの男の子と その父親だと思われる!
父親も 上品で教養の高い人物に見えた 息子も すらっと背が高く 見るからに品が良い
私は な~んだ 裕福な家族の海外旅行か と思った
父と兄が 近づいてくると 弟が 「これで最後だね!」っと 兄に向って言う
直ぐに 父親が 「そんな事 言うな!違うだろ!」と 少し怒りながら 注意をしていた
弟は 少し苦笑い! 多分 照れくさくて 言葉の選択が出来なかったんだろう
その瞬間に 全てが分かった
ここは成田国際空港 その家族の長男が これから 海外の大学に留学するところだった
私は その家族を 見つめてしまっていた
母親は 黙って まだ 下を向いていた 弟は 兄弟の別れの瞬間に 緊張している様だった
そして 大きなスーツケースを持った 兄に 父親が 耳元で 囁いていた
それを聞いた息子は 手で涙を拭い 「ありがとう」っと・・・・・
口元の動きで 父親に 応えていたのが分かった
その後 俯いた母親と ちょっと陽気に振舞う弟と 4人で 発券カウンターの方へ 歩いていった
こんな光景を 旅の最後で見れるなんて 思わなかった
これも ”家族の学び”の 流れなのだろうか?
私は 独りで旅立つ 息子さんの涙を拭く姿を見たときに この子は きっと 父親に愛され 母親に愛され 家族に愛されていたんだな~って 想像が出来た
私とは 大違いだ!
8年前まで 目の前の息子を 偽善者の愛で 躾と言う 憂さ晴らしの道具にしていた 愚かな父親とは・・・・
私は 成田空港で 出くわした 家族から 学ばせてもらえた・・・・・・・
大きな過ちに気づく・・・・・・
私は こんな所で 親の愛を見るとは思わなかった
そして 親から 自立しようとする 若者の姿を・・・・・・
ようやく この旅の 最後で 息子の想いを 知ることになる
この旅でも 息子は 私の前では 笑うことは それほど無かった
そして この旅に 出発する前までの8年間 私の前で 笑うことは無かった
息子は あえて 私との会話を避け 笑わないようにしているのが 分かっていた
私は そんな 息子が 私を憎み 怨んでいるのだと 思っていました
まもなく この旅を 終えようとする時に やっと 息子が 私の前で 笑わない理由が分かりました!
それは 私から 自立しようと していたからだった!
8年前の あの時から 息子は 足掻いて もがいて 苦しんで 少しずつ 私から自立しようと していたんだと!
笑わない事で 自分が 頑張っている事を 伝えようとしていた
恥ずかしい・・・・・ 私は そのことに ずーっと 気づけないでいた
8年かけて やっと 息子の想いが 理解できた!
成田空港から 東京駅の バスで 息子と話す・・・・
15:00
東京駅から名古屋駅までの JRバスの出発時間は 17:30
成田から東京駅(1000円)は1時間! ちょうど良い 時間になった
バスに乗り込む!
私は 息子へ 少し 話をしてみることにした
成田国際空港だけあって 私達の周りは 外国人の方ばかり これから話すことは 誰にも聞かれないから・・・・・・
俺さ~っ 今回 一緒に旅して 分かったんだけどさ~
今まで 妹や弟達と 旅してきたじゃん
みんな 小学生の子供の頃からなんだけど
本当は すっごく 不安だったんだよね〜
あの子達が 中学生になっても 色々と 不安さの内容が 変わっていくだけで しんどい旅だったんだよね
でも 今回 初めて 安心な旅が出来たんだ
旅して 分かったんだ
もう 君は 大人なんだな~って! 俺より 何倍も しっかりした 大人なんだって!
だから もう 充分だと思ったよ
知っていると思うけど 俺さ 君のおじいちゃんと 壁 作ってんだ
おじいちゃんも 曾おじいちゃんと 壁を作ってたんだ
これを 因果って 言うらしんだけど
今までの 君と 俺との事を 考えていたんだけど・・・
やっぱり 代々 父と息子は 同じことするんだよな!
この親子関係の 因縁ってさ その家系の 人の性格・人格じゃないかなって 思ったんだ
単純に 気が小さくて 幼稚で 成長できないまま 親に 成ったんじゃないかなぁ
小心さから来る 幼稚さゆえの 劣等感で 親になる事の 意味が 理解 出来なかった様な気がするんだ
親だって やっぱり 自分が一番大切で 自分が一番可愛いんだよね
俺みたいに 子供が可愛いって思うのも 自分が可愛いって思うのと 同じ事なんだよね
利己心って言うんだけど
だからさ 親から愛情を受けないと 親になったとき 愛情を受け継げないんだよな
親って 何なのか 分からないから! もっと言うと 子供の育て方が分からないから!
そのことを言い訳にするつもりは無いけど 俺達で この因縁を 絶たないか!
やれそうな気がするんだ
だって 俺に 親って何なのか? 家族って何なのか?を教えてくれただろ!
こんな感じの内容を 30分程 バスの中で 話し続けた
話した内容が 正しいのか! 間違っているのか! ズレているのか! 幼稚な考え方なのか! 分かりませんが 今の 劣った私達には この会話は 最初の一歩だったと 思う
東京駅で ケチケチ飯!
16:00
無事に 東京駅に 到着しました
名古屋行きの JRバスまで まだ 1時間半
別に お腹はが空いていたわけでも有りませんが 時間つぶしに 早い夕食へ
行きと同じ 八重洲口地下街の 外れで 格安ラーメンを食べる
普段の生活の中では ラーメンを 食べられないから 旅に出たドサクサ紛れに 食す
醤油ラーメン 320円を 2人で啜る
最後の最後まで ケチケチ旅!

行きに この旅の成功を祈願した 幸運の仔豚像へ
満足のいく ケチケチ旅になった事を 鼻の頭を撫でて お礼をしました
御利益が あったかも!
JRバスで 名古屋まで
新東名Sライナー19号 東京駅⇒名古屋駅 2400円
東京駅八重洲口乗り場で バスに乗る
行きのルートと まったく同じ!
バスに乗り込むと 出発前には ほぼ満席状態
長距離は バスが一番早いし 楽ですね
5時間10分のバスの旅は 私達を ゆっくりと 日常の生活へ戻してくれていた
バスの中で 飛び交う日本語や 雰囲気は やっぱり 落ち着く
楽しそうなケチケチ旅も 現地のストレスの代償ですから!
これから 5時間も 時間があると また 今までの旅を 思い返してしまう
見たことの無い風景や 世界遺産 初めて乗る交通機関 人の生活や触れ合いは とっても楽しい!
でも 本当に楽しくて 心に残るものは トラブル!
苦痛や 恐怖や 怯えだ!
なんとなくだが 人の生きてきた道のりも 同じではないだろうか?
失敗や 間違い 葛藤や 劣等感 思い通りに行かない生き方こそ 本当は楽しいのでは ないのだろうか?
若い頃は 思いも付かなかった
20代の頃は お金や地位のある事が幸せだと思っていた
30代の頃には いつも笑っている人が 勝者だと 思っていた
40代に成った 今は・・・・・・・・ この旅のゴールで 家族が教えてくれた!
22:40
色んな事を考えていたら 5時間なんて あっという間!
しかし 日本のバスは 時間に正確! それでいて 運転手さんも 運転が丁寧で 言葉遣いも親切で 指摘するところなんか一つもない!
海外から帰国すると 本当に よく分かる この国のシステム この国に住む人達の配慮 素晴らしい国だ!
JR名古屋駅から 自宅最寄り駅に帰ります
名古屋駅から JR東海道線で 最寄り駅まで
時刻表を見ると 23:16
豊橋行きに 乗車します
この時間だと もう 本日の自宅到着は 間に合いそうにありません
直ぐに 妻へ 連絡をして 自宅に到着する時間は 0:00をまわることを 伝えました
23:45 無事に最寄り駅到着
ゆっくりと 最後の道のりを 息子と2人で 味わいます
駅の構内も 人は まばらで 行とは違い 静か!
深夜の街を 眺めながら ゆっくり家路を 楽しみます
これで 旅も 終わる!
長かった 10日間も もうじき 終わる!
8年間 想い描いていた 息子との海外の旅が 終わりに近づく!
UAE・オマーンの旅
ここを選んで 良かった!
イスラム国とMARSで 国際的にも問題の多い中東
行く前とは 全然違った印象を持つことになった
個人的な感想ですが よく分かったことは お金での 経済的な豊かさは 間違いなく 人が優しくなる
それと 宗教の奥深さは 地域の治安も 安全にしてくれる
モスクへ通う人たちや 町で響くコーランは 人のモラルを向上させているように思える
それが 正しいかどうかが問題ではなく そこに染まれるかが肝心だ
2カ国の ほんの少しだけの街を 旅しただけですが 人に癒されたのは間違いありません
息子も 私も 一度も危険を感じることはありませんでした
なかなか そんな国は ありません
豊かさこそ 最高の安全でした!
息子と旅した UAE・オマーンは 最高の国だった
但し 私達が癒された オマーンのお隣の国 イエメンで 帰国後 数日後に 大きなイスラム国の襲撃が ありました
安全とはいえ やはり 紙一重の 旅だったことは 否めません
UAE・オマーンの旅 絆編
私は 息子と この旅で 多くを学び 息子への 蟠りが 取れたような気がしました
成人して 独立をしている息子に 子供の頃の様に戻って 父親を やり直させてくれなんて 虫の良い話ですが 息子は 嫌がらず 共に旅をしてくれました
そして 幼少の頃から 息子に教えなければならなかった 親のぬくもりを 大人になって 伝える事になってしまった
壊れ行く 我が町 我が商店街の 花ノ木通りを 深夜 ゆっくり 2人で 歩きながら 確信した
”私は やっと 息子から 子離れが 出来たんだと!”
時刻は 23:59
0時を むかえようとしていた
まもなく 帰宅する・・・・・・・・・・・ そこで 私は ”家族”を 知ることになる!